本科研費を使用して、昨年度行った主な研究は、資料収集と当該分野研究者との情報交換であった。まず、2008年10月18日から20日まで、韓国基督教歴史研究所所長・牧園大学教授金興洙氏を招聘し、また、延世大学教授で一年間の予定で明治学院大学で招聘教授を務めていた徐正敏氏、慶応義塾大学教授ヘレン・ボールハチェット氏の参加も得て、群馬県水上町で研究合宿を行った。金教授より、北朝鮮におけるキリスト教伝道の歴史と現状についてレクチャーがあり、徐教授からは、韓国のキリスト史についてのレクチャーがあった。ディスカッションでは、米英の伝道方策の差異や、日本と朝鮮におけるアメリカ合衆国の伝道方式の違いなどについて意見を交換した。次に、2009年2月27日から3月2日まで、韓国を訪れ、啓明大学校付属の宣教博物館、医療博物館、教育博物館、および、隣接する信明女学校資料館で、テグにおけるアメリカ合衆国長老派の伝道事業に関する資料を収集した。テグでは医療伝道が大きな比重を占めたことなどを学んだ。さらに、ソウルの崇儀大学校を訪れ、平壌でのアメリカ合衆国長老派の伝道事業に関する資料に関する資料も取得した。なお、2ヶ月に一度、主に第3土曜日に、研究代表者と連携研究者である恵泉女学園大学教授李省展は収集した資料の内容について報告会を行った。
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