本研究では、韓国社会における歴史認識の諸論争、および大衆文化の動向を観察する。2007年度の研究計画は、1)北朝鮮の核問題と2007年12月の大統領選挙などをめぐる韓国(北朝鮮)の状況を観察し、1945年から1950年代のデータを調べる。2)中国の東北地方を訪問し、在中朝鮮族、脱北者の対北朝鮮、対中国、対日本、対韓国認識および冷戦時代にたいする歴史認識(記憶)を調べることにあった。 2007年8月には、中国の朝鮮族自治区である延吉を訪問し、朝鮮族(6名)と脱北者(6名)と脱北者(6名)の歴史認識、および対米・対中・対韓・対日認識を調べた。また、2008年2月に韓国のソウルでも脱北者(1名)をインタビューし、韓国における東アジア秩序認識に関する資料を調べてきた。インタビューは2009年まで続け、2010年までに報告書をまとめる予定である。 なお、11月には、韓国日本思想史学会の学術大会(「東アジアのナショナリズムの生成・維持・消滅」11月24日)に参加し、1930年代から冷戦期にいたるまでの期間、東アジアの地域主義と文化ナショナリズムの関係性について歴史的に概観した報告書を発表した。 韓国における東アジア認識に関しては、2008年に論文を作成し、発表する予定である。
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