本研究の2008年度の研究計画は、1)当年の変化を観察し、1960-70年代のデータを調べる。2)平成19年度に調べた内容を報告することであった。実際の研究実績として、 1]1945年から1960年代までの雑誌資料を調べ、「1950-60年代の韓国における東アジア秩序観--雑誌『思想界』『青脈』を中心に、--現代韓国における思想(論争)、歴史認識の在り方と関連して」という報告書を作成した。これは、国際高等研究所のある研究会(下記を参照)で発表した。 2]脱北者一名のインタビューを行った。インタビューの主な内容は、東アジアの秩序認識に関するものであったが、彼は中国の影響力を重視していた。昨年からの脱北者インタビューの内容は、中部大学国際関係学部が主催したシンポジウムにパネリストとして参加した際に、簡単に発表することができた。だが、その総合的な内容は、4年間の本研究をまとめる報告書においてまとめるつもりである。 3]吉見俊哉『親米と反米』(岩波書店、2007)の書評を韓国語で執筆した。これは2009年秋に創刊される予定の『日本批評』(仮題)という雑誌に掲載される予定である。この書評では、韓国における「親米と反米」の歴史認識、および東アジアにおける「親米と反米」の歴史、さらに現在の日・中・韓における<反米ナショナリズム>と東アジア秩序の問題について言及することができた。
|