近代日本の男性性構築過程における<女性>のエージェンシーのありようを、特にそれが、<国家>が有したエージェンシーとの間でどのような<対立と共謀>=ポリティクスを生み出したのかに着目しつつ、把握する。より具体的な研究課題としては、男性性構築過程における<女性>のエージェンシーを、 (1)都市新中間層を中心とし、近代家族的価値観を形成しつつあった女性、 (2)女性工場労働者および農業女性、 (3)植民地事業への何らかの参画者であった女性、 という3属性の女性のエージェンシーの複合体としてとらえ、それぞれの属性の女性にひろく読まれていたと考えられるメディア(雑誌、新聞、修養読み物など)の分析を行い、そこにみられる男性性言説を収集する。そしてその男性性言説がどのような<女性>の利害の上に要請され、構築されていったのかを分析する。
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