研究課題
本年度は映像表象に現れる暴力・欲望・政治について分析し、国内外の国際会議(第10回国際女性映画祭シンポジウムの招聴発表(in Seoul)、梨花女子大学アジア女性センター春期レクチャーの招聘講演(in Seoul)、NASSSの招聘リスポンス(名古屋))等で発表した。とくに焦点を当てたのは、バイオポリティクス(生政治)の今日的意味であり、人口に膾炙する映画表象に如実に、また巧妙に書き込まれている暴力の汎日常的様相を分析した。ミシェル・フーコーからジョルジュ・アガンベンおよびフロイトの精神分析の再解釈を試みた。それに連なるものとして、『現代思想』アントニオ・ネグリ特集に収録した「マルチチュード/暴力/ジェンダー」がある。また現在の世界を切り取る視角として「戦争の世紀」におけるフェミニズムの変容と役割を分析した。またNASSSでは、戦後の日米関係をデリダの「友愛」の概念から再解釈し、黒澤明の映画分析に繋げた。岩波書店から出版された『壊れゆく世界と時代の課題』の第4章「言語と法、人間の領域--正義はどこにあるのか」では、現在のわたしの関心事を表明する機会を与えられ、正義の再定義にからめて人間概念の変容を語り、さらに今後の研究へと繋げた。
すべて 2009 2008
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Newsletter, NHSJ No. 26
ページ: 6-10
Women's Bodies in the Age of Bio-tech : Agents for Reproducing the World and the Object of the Bio-Politics in Globalization
ページ: 69-79
Nanzan Review of American studies Journal 30
ページ: 63-73
現代思想 36巻5号
ページ: 118-23
神奈川大学評論 第60号
ページ: 76-83
ジェンダー史学 4号
ページ: 57-62