研究課題/領域番号 |
19510276
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
浅井 美智子 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (10212466)
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研究分担者 |
田間 泰子 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00222125)
萩原 弘子 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (90159088)
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キーワード | 生命倫理 / 生殖補助医療 / 家族社会学 / 親子 |
研究概要 |
本年度は、文献資料・最新情報の収集にまず力点をおいた。加えて、先端生殖技術に対する様々な分野からの研究成果を得ることを行った。リプロダクション研究会に出席し、府立大学でも研究会を開催した。両研究会で、インド、韓国、その他(スリランカ、バングラディシュ、ベトナムナなど)、生殖医療、生殖をめぐる文化事情によって異なる出産の実態を知ることができた。本研究の目的である、新生殖技術に対する女性の意識を探る上で貴重な知見となった。 以上の研究から生殖に関わる最近の動向について、以下の三点を特徴とみなすことができるとの結論を得た。まず、新生殖医療の極めて早い進展とその臨床応用がなされていることがあげられる。つぎに、出産への欲望や意欲に対する文化的、伝統的拘束力が減少しているように見受けられる。つまり、新生殖医療ヘアクセスして子どもをもちたいという欲望が極めて個人的なものになりつつあるのではないかを推察されるということである。第三に新生殖医療を媒介にして、生殖の分断と架橋がグローバル化していることがあげられるだろう。ここでいう生殖の分断とは、配偶子(卵子・精子)や妊娠出産がその子どもを育てる親と直接結びついていないと言う意味であり、それらの架橋が国境を越えて行われているという意味である(提供配偶子、代理母)。新生殖医療(生殖補助技術)に対する法的整備の遅れている日本では、経済力のある人々がインフォーマルな情報によって海外で生殖を行うケースが増加していると考えられる。 これらの結論のもとに、来年度は新生殖医療に対する女性の意識調査のデザインおよび調査計画を進めている。
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