研究概要 |
研究計画の初年度にあたる平成19年度において,研究代表者及び研究分担者がそれぞれ,本研究のテーマである19世紀経済学におけるジェンダー意識に関する研究を行い,本研究を進めるための基礎的知見を得るよう務めた。その上で次のような研究活動を行い,成果を得た。まず,研究会を定期的に行い,メンバー各自の研究活動の成果を報告・検討するとともに,次のような具体的研究成果を得た。 第1に,19世紀を中心とした女性の経済学者についてまとまって論じた数少ない体系的研究であるB.Polkinghorn著"AdamSmith's Daughters."を検討し,かつその翻訳を行った。第2に,ハリエット・マーティノウやビアトリス・ウェブなどの経済学の歴史において重要な女性の経済学者の学説等を検討し,これを通じて19世紀経済学におけるジェンダー意識について研究した。そしてこの研究成果の一部を論文にまとめ,発表した。 また本研究のテーマに関しては体系的にまとまった研究資料が整備されていない状況であるので,資料収集も本研究の重要な目的であるが,これに関しては次のような活動を行った。第1に,平成19年10月26日から11月5日の間,研究分担者である佐藤と舩木が英国のロンドン大学やケンブリッジ大学等を訪問し,本研究のテーマに関する資料を調査・収集した。第2に,本研究に関する書籍・論文等の資料を調査し,必要な資料を購入してこれを収集するとともに,その内容を検討した。 以上のように平成19年度においては,当初の研究計画に沿った研究活動を行い,平成20年度以降の研究の展開に必要な基礎的作業を行うとともに,上記のような翻訳,研究論文,資料収集という具体的な研究成果を得た。
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