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2007 年度 実績報告書

同性婚をめぐる権利運動の理論分析から考える、「家族」の規範研究

研究課題

研究課題/領域番号 19510283
研究機関立命館大学

研究代表者

岡野 八代  立命館大学, 法学部, 准教授 (70319482)

キーワード同性婚 / セクシュアル・マイノリティ / 家族 / ケア / フェミニズム
研究概要

1)資料収集について本年度は、カナダにおいて、フリージャーナリストとして、『カナダのセクシュアル・マイノリティたち-人権を求めつづけて』(教育資料出版会、2005年)を執筆した、サンダース・宮松敬子さんに研究協力をお願いし、彼女が収集した資料を受け取ることができた。また、セクシュアル・マイノリティの権利、家族に関する資料収集に努めた。
2)同性婚に関する研究については、同性愛者たちが近代家族の枠組みに自ら囚われることをなぜ望むのか、あるいは、そもそも家族という制度が21世紀にも必要なのかといった、同性愛者当事者たちの問でも論争を生んでいる議論について考察を深めた。そのなかで明らかにしたのは、ひとは他者のケアなしには、一人の人間と「なる」ことはなく、全てのひとは、かつて他者からのケアを受け、また生涯にわたり、ケアされる・する関係性を続けていくことを考えれば、生死に関わるニーズを他者と分有し、満たしあう関係性は、すべてのひとに保障されるべき関係性である、という点である。そこで、そうした関係性こそが、わたしたちが互いに誰かを必要としつつ生きる基盤となる「家族」といえるのではないか、という提案を行った。その意味で本年度は、同性婚を求めるひとびとの言説とケアの倫理とを架橋することで、国民国家を支える道徳的聖域としての家族制度とは異なる、新たな「家族」像を探求する端緒を掴んだといえよう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「女から生まれる-「家族」からの解放/「ファミリー」の解放」2007

    • 著者名/発表者名
      岡野 八代
    • 雑誌名

      ジェンダー研究のフロンティア Frontiers of Gender Studies 第7号

      ページ: 50-57

  • [雑誌論文] 「フェミニズムの新しい波-他者の視線/他者からの視線」2007

    • 著者名/発表者名
      岡野 八代
    • 雑誌名

      女性・戦争・人権 第8号

      ページ: 66-95

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「アーレントにおける国家暴力批判-暴力批判から、主権国家批判へ」2007

    • 著者名/発表者名
      岡野 八代
    • 雑誌名

      政治思想研究 第七号

      ページ: 4-30

  • [学会発表] 家族のことば・家族の時間-政治学からの接近2007

    • 著者名/発表者名
      岡野 八代
    • 学会等名
      家族社会学会
    • 発表場所
      札幌学園大学
    • 年月日
      2007-09-08
  • [図書] 悪と正義の政治理論2007

    • 著者名/発表者名
      太田 義器・谷澤 正嗣(編)
    • 総ページ数
      277
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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