(1)本研究は、「家族」の規範性を考えることで北米における同性婚の関する議論とケアの倫理をめぐる議論を架橋する試みであり、その目的は、少子高齢社会を向かえた日本社会において、国家主義に陥ることなく、多様性に開かれた「家族」の重要性を提起しようとするものである。 具体的内容については、以下三つに分かれている。 (2)セクシュアル・マイノリティの権利論・運動論と、フェミニズム理論におけるケアの倫理から考える家族論の架橋をめざす。 (3)異性愛中心主義や女性性を抑圧するよう作用する現在の家族制度を批判し、かつ、規範的な家族論を構築する。 (4)ケアの倫理の立場からリベラリズム・資本主義を批判すること。
|