日本の大学生を対象とした「ひとり親家族に関する意識やひとり親における子育てに対する意見」に関するアンケートの結果を分析し、国際家政学会で報告をした。2007年に調査を実施し、1379票の有効票を回収した。回収率は76.3%であった。調査結果から、日本の大学生がもっとも死別のひとり親に対して理解があり、次に離婚、未婚の順であった。未婚で子どもを育てること、離婚した女性と結婚することに関しては男性のほうが理解があり、男女で意見の差があった。このような大学生のひとり親に対する個人的な意見には、再婚して子どもを育てることに対する社会的価値観、ジェンダー役割に対する否定的な価値観の内面化、「家族」関する教育を受けた経験などの変数が影響していた。大学生のひとり親に対するイメージは次のタイプに等質性分析の結果、「親子の早期自立タイプ」、「親子の分離タイプ」、「親子の孤独タイプ」、「親子の相互依存タイプ」に分類できることがわかった。 次に、韓国の大学生のひとり親家族に対する意識やひとり親家族における子育てに対する意見を明らかにし、その社会的影響を探った。2007年に、大学生を調査対象として、韓国の4地域の7つの大学で、2000部の質問紙を配布し、1605部を回収、分析を行った。分析の結果、ひとり親になった背景にたいして最も理解があったのは、死別によるもので、次に離婚、未婚の順であった。さらに、ひとり親家族の子育てについては、ひとり親家族になった背景によって異なる意見を持っており、性別、宗教の有無、ひとり親家族に接した経験の有無、家族に関する教育、ひとり親を扱ったテレビや映画の視聴経験などによって、ひとり親家族の子育てに対する意識が異なることが明らかになった。
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