研究概要 |
女性技術者のキャリア形成過程を明らかにし,高専における教育モデルを構築することを目的とし,平成19年度は量的調査(科研費平成15〜17年度)を基に,ヒアリング調査(予備調査を含む)を実施,調査内容の分析による今後の調査計画の協議を行った。調査内容,分析及び協議内容は以下の通りである。 予備調査調査対象者は高専を卒業し現在キャリアを積んでいる女性技術者15名(建設業4名,製造業1名,通信業1名,サービス業5名,卸売業1名,公務職場2名,自営1名)である。 分析及び協議内容量的調査及び予備調査における内容を討議した結果,次回調査では次の点を明らかにするとともにインタビューの基本ラインが確認された。 ・調査の対象者を,離職・転職・再就職時期に絞る。 ・調査の基軸を,地位やステータスアップよりむしろ,キャリア形成に関して調査対象者が何を考え何によって左右されているかにすえる。 ・職業生活と非職業生活との関わりと,それをどのように評価しているか。 ・就労の継続,転職,離職に至った要因は何か。 離職の要因は高専に起因するものか,あるいは学科なのか,業界なのか,女性なのか。 ・業界別サブカルチャーの特性が離職・転職・再就職にいかなる影響を及ぼしているか。 ・高専におけるキャリア教育の質/欠如を卒業後にどのように評価しているのか。 ・在学時にロールモデルやその情報をもっていたか,知りたかったか。 ・在学時に適性で悩んだ場合,その要因あるいは背景は何か。 本調査上記協議内容を踏まえ,協力が得られた女子卒業生に対して調査を実施した。対象者は離職・転職・再就職時期に当たる35歳前後及び45歳前後の層を抽出し,その結果,無職者3名及び初職継続者2名,転職者2名であった。 平成20年度は,本調査の内容を協議し,さらなる調査の展開をはかる予定である。
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