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2007 年度 実績報告書

メディアの哲学の構築-画像の役割の検討を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 19520007
研究機関山形大学

研究代表者

小熊 正久  山形大学, 人文学部, 教授 (30133911)

研究分担者 平田 俊博  山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (60113974)
松川 俊夫  山形短期大学, 人間福祉学科, 准教授 (40341739)
直江 清隆  東北大学, 文学研究科, 准教授 (30312169)
清塚 邦彦  山形大学, 人文学部, 教授 (40292396)
大黒 岳彦  明治大学, 情報コミュニケーション学部, 准教授 (30369441)
キーワードメディア / 画像 / 情報 / 倫理 / コミュニケーション
研究概要

情報メディアの発達は、コミュニケーションの活性化に伴うポジティヴな面とともに、犯罪や暴力の媒体、対人関係の希薄化や画像の悪影響といったネガティヴな面を合わせもつが、われわれは「情報メディアとは何か」という原理的考察を欠いたまま、その利便性を追求しているのが現状である。本研究はそのなかでとくに現代技術によって可能になりますます重要性を増している「画像メディア(媒体)」の意味の考察を行っている。
大黒と小熊は、ルーマン、バルト、フッサール、フルッサーの所論を踏まえて、環境とシステムの差異に立脚する「システム論」的視点から、情報、コミュニケーションの原理的考察、メディアと画像の役割の考察をおこなった。とくに大黒は、著書において、哲学的議論と情報社会の諸問題との接点を解明・解説した。清塚は、とくに写真のリアリティーの問題に焦点をあてて分析哲学の議論を整理し、問題追求の手堅い-手法を提供した。田口、小熊は、現象学的観点から媒体現象および画像表象の解明を目ざしている。松川は、映画のコード規制に関する、海外出張による調査も含めた研究を行い、それを導きの糸として画像メディアの倫理的問題を追求している。直江は、技術と倫理という観点からメディアの解明をめざし、平田は、日本社会をも視野に入れてメディア倫理と教育の問題に取り組んでいる。昨年度は以上の個人研究と並行した日常的意見交換だけでなく、研究打合せおよび研究会において主要論点の討論を行った。また、講師を招き、本課題に密接に関連するポルノグラフィの倫理的問題、ジャーナリズムの自由について討議を行った。
以上のように、本研究では「メディアの基礎理論」、「画像の役割」、それらの「倫理的問題」という三方面から課題に取り組み、論文・著書等の形となった成果も多いが、今年度は調査はもちろん、意見交換・集約にも十分に力を注ぎつつ、さらに上記課題を追求する。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 知覚における同一性と差異-フッサール『物と空間 講義 1907』をてがかりとして-2008

    • 著者名/発表者名
      小熊 正久
    • 雑誌名

      山形大学人文学部研究年報 5号

      ページ: 1-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 倫理綱領と自由を制限する諸原則2008

    • 著者名/発表者名
      松川 俊夫
    • 雑誌名

      山形短期大学紀要 40

      ページ: 113-122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] フッサールとフルッサー-画像とテクノ画像-2007

    • 著者名/発表者名
      小熊 正久
    • 雑誌名

      東北哲学会年報 23

      ページ: 73-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 技術の哲学と倫理という課題2007

    • 著者名/発表者名
      直江 清隆
    • 雑誌名

      モラリア 14

      ページ: 1-8

  • [雑誌論文] 写真とメディア:K・L・ウォルトンの写真論を手ぶかりに2007

    • 著者名/発表者名
      清塚 邦彦
    • 雑誌名

      東北哲学会年報 23

      ページ: 81-92

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 映像とコミュニケーションールーマンとバルトの議論を手掛かりにしつつ-2007

    • 著者名/発表者名
      大黒 岳彦
    • 雑誌名

      東北哲学会年報 23

      ページ: 93-103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現象学における『理性』概念の変容-フッサールとレヴィナスを手がかりにして-2007

    • 著者名/発表者名
      田口 茂
    • 雑誌名

      東北哲学会年報 23

      ページ: 17-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 懐疑論と理性-フッサールとレヴィナスにおける現象学的思惟の動性2007

    • 著者名/発表者名
      田口 茂
    • 雑誌名

      哲学論集、上智哲学会編 36号

      ページ: 17-36

  • [学会発表] On the Ethical Problem of Civic Education in Modern Japan2008

    • 著者名/発表者名
      HIRATA, Toshihiro(平田 俊博)
    • 学会等名
      Oxford Round Table 20th Anniversary "Ethical Sentiments"
    • 発表場所
      Oxford University Lincoln College, England
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 写真のリアリティと演技的な態度2007

    • 著者名/発表者名
      清塚 邦彦
    • 学会等名
      日本記号学会第27回大会
    • 発表場所
      山形県立米沢女子短期大学
    • 年月日
      20070500
  • [図書] 応用倫理学事典2008

    • 著者名/発表者名
      加藤 尚武 編集・著(松川俊夫、編集、執筆)
    • 総ページ数
      990
    • 出版者
      丸善
  • [図書] Philosophy and Design(分担執筆)2008

    • 著者名/発表者名
      Kiyotaka NAOE
    • 総ページ数
      359
    • 出版者
      Springer
  • [図書] 森と山と日本人-自然と人間の共生-(平田俊博, 「民藝の美-宗教と倫理-」の項執筆)2008

    • 著者名/発表者名
      仙道 富士郎 編著
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      NTT出版
  • [図書] 哲学の歴史 9(分担執筆)2007

    • 著者名/発表者名
      直江 清隆
    • 総ページ数
      750
    • 出版者
      中央公論新社
  • [図書] 主観的、間主観的、客観的2007

    • 著者名/発表者名
      ドナルド・デイヴィドソン(清塚邦彦、共訳および解説)
    • 総ページ数
      371
    • 出版者
      春秋社
  • [図書] 謎としての"現代"-情報社会時代の哲学入門2007

    • 著者名/発表者名
      大黒 岳彦
    • 総ページ数
      371
    • 出版者
      春秋社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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