研究課題/領域番号 |
19520007
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小熊 正久 山形大学, 人文学部, 教授 (30133911)
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研究分担者 |
平田 俊博 山形大学, 大学院・教育実践研究科, 教授 (60113974)
松川 俊夫 山形短期大学, 人間福祉学科, 准教授 (40341739)
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 准教授 (30312169)
清塚 邦彦 山形大学, 人文学部, 教授 (40292396)
大黒 岳彦 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (30369441)
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キーワード | メディア / 画像 / 情報 / 倫理 / コミュニケーション / 技術 |
研究概要 |
本研究組織は、「画像」とは何か、現代情報化社会における「画像」の倫理的問題は何か、を主題として哲学・倫理学の諸分野から研究を行ったが、最終年度である21年度はとくに、ドイツ現象学会の前会長クラウス・ヘルト教授による講演会「絵画芸術の革命としてのセザンヌの絵画」(2009.11.5.於山形大学)ならびに討議といった活動を行うとともに、研究成果を冊子としてまとめた。21年度も、「メディアの基礎理論」、「画像メディアの役割」、「画像メディアの倫理」という3つの観点から考察を進めたが、この年度における個別的成果は以下のとおりである。分析哲学的伝統にのっとった、フィクションの哲学的考察(『フィクションの哲学』)と画像とは何かということの基礎的な研究(清塚)。現象学者フッサールについての基礎的研究(『フッサールおける<原自我>の問題』)と、フッサールの「像Bild」の分析を基礎とする画像論(田口)。メルロ=ポンティならびにソプチャークの分析を援用した、技術に媒介された映画の知覚の特殊性の考察(小熊)。大局的見地からの、媒体としての技術の特質の考察(直江)。メディア論的見地からのプラトン『パイドロス』の分析(大黒)。カントの感性論を参照した、画像メディアの虚構と現実の問題についての青少年への影響という点からの考察(平田)。画像メディアの倫理に関する、具体的事例を考慮しながらおこなった有害情報規制に対する倫理的根拠の問題の考察(松川)。これらの成果は、画像の本質、フィクションと画像、画像の倫理的問題を考察する際に不可欠の基礎的な研究ということができる。さらに、三年間にわたる成果を含めた共同討議を行い、その中でメディアに関連した虚構と現実の問題がクローズアップされてきた。本研究組織はさらにこの問題を追究する予定である。
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