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2009 年度 実績報告書

行為主体性と合理性の高レベル統合の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520010
研究機関茨城大学

研究代表者

渡辺 邦夫  茨城大学, 人文学部, 教授 (30191753)

キーワードアリストテレス / 『自然学』 / 行為主体性 / 合理性 / 『ニコマコス倫理学』 / アレテー(徳) / 価値倫理学 / ソクラテス的論駁
研究概要

『自然学』を中心にアリストテレス哲学における行為主体性と合理性の統合の様子を解釈する3年間の研究であり、21度は(1)『ニコマコス倫理学』第2・3巻の徳論を幸福論の脈絡に位置づけ人間の主体性の解明ともなることを示し、(2)『自然学』解釈論文英語版をアリストテレス目的論の擁護として完成させ、(3)プラトン『ゴルギアス』の心の哲学をも明らかにするという計画である。
第一に紀要に(1)の面で「いくつかの哲学問題への「アレテー(徳)」の適切性に関する一考察」を発表し、『ニコマコス倫理学』第2巻6章を中心として「人柄の徳」を、その都度の行為を通じた感情の微調整という教育課題の問題として解釈した。この解釈により、アリストテレスとコネクショニズム的心の哲学との本質的親近性を示すことができ、行動と知性の改善り問題、教育の文化的な意味の問題にも関説した。関運して「フイリア論の文脈」をも発表しアリストテレスの愛と正義の徳の関係を明らかにした。
第二に(2)の面で、2010年3月印刷製本し多くの研究者に配布した研究成果報告書に、'The Concet of Chance and the Possibility of Aristotelian Teleology'を発表し、アリストテレスの目的論とディスポジション(「ヘクシス」ないし「デュナミス」)理解を関係付けた。
第三に、(3)の面で、同報告書に「ヴラストス「論駁法」再検討」を発表し、プラトン『ゴルギアス』におけるソクラテスの論敵論駁が、言葉による心への「作用」という側面に徹底的に照準を合わせた現実主義的なものであったこと、従って青年の道徳性や行動主体性、及び青年達が今後作る社会の健全な発展に向け、いかにかれらが自立できるかという関心のもとでの対話であったことを示した。これらはプラトン経てアリストテレスの全哲学においても保存されていた側面と私が信ずる要素である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] フィリア論の文脈2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺邦夫
    • 雑誌名

      平成21年度茨城大学人文学部共同研究ユニット「文学史・文化史・思想史における愛」報告書

      ページ: 19-35

  • [雑誌論文] The Concept of Chance and the Possibility of Aristotelian Teleology2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺邦夫
    • 雑誌名

      平成19年度~21年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書「行為主体性と合理性の高レベル統合の研究」

      ページ: 75-101

  • [雑誌論文] ヴラストス「論駁法」再検討2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺邦夫
    • 雑誌名

      平成19年度~21年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書「行為主体性と合理性の高レベル統合の研究」

      ページ: 103-128

  • [雑誌論文] いくつかの哲学問題への「アレテー(徳)」の適切性に関する一考察2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺邦夫
    • 雑誌名

      茨城大学人文学部紀要「人文コミュニケーション学科論集」 7号

      ページ: 155-180

  • [備考]

    • URL

      http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.htm

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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