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2007 年度 実績報告書

現代的実体主義の論理と存在論

研究課題

研究課題/領域番号 19520011
研究機関埼玉大学

研究代表者

加地 大介  埼玉大学, 教養学部, 教授 (50251145)

キーワード実体様相 / 種的様相 / 時間様相 / 様相論理 / 実体主義 / 存在論 / 穴 / 境界
研究概要

まず、実体様相論理に関しては、分類命題・傾向命題・生起命題に原子命題を分類する種的様相論理と同様に、時間様相論理においても、原子命題そのものを、実体の必然的、可能的、現実的持続にそれぞれ対応する完了(過去)命題・展望(未来)命題・進行(現在)命題という三種類に分類することが妥当がどうかを検討し、結果として肯定的な見通しを得た。そのうえで、両者の平行性がどの程度まで成立するのかということについて検討した結果、「人間ほ動物である」などの種どうしの実例化関係に対応する時間様相的原子命題は存在しないこと、命題様相的に可能な完了命題が進行命題によって含意されるこ之を表す時間様相的公理に対応する種的様相的公理は認められないこと、および、これらの原子様相的区別を反映する内包的命題様相論理の体系は、実体の本質の絶対性に由来する種的様相論理においてはアリストテレス的S5であるのに対し、本来的方向性を有する実体的持続に由来する時間様相論理においてはディオドロス的S4.3等であること、という三つを除いては、必要な調整を施したうえでの平行性が両者の間で成立することを確認した。
また,実体主義的な存在論に関しては,著書『穴と境界-存在論的探究』の中で,全体的な通時的同一性を保つと考え得るという点で実体的性格を有するが,ある種の存在論的依存性を免れ得ないという点で完全な実体とは言えないという,穴と境界の存在諭的性格についての考察を行うことにより,実体的存在の限界点を見極めることを試みた。またそれと同時に,実体そのものにとっても,特に境界は,その独立性,統一性,接触可能性を成立させるうえで重要な役割を演じていることを主張した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] フォーマル・オントロジーの諸相2007

    • 著者名/発表者名
      加地 大介
    • 雑誌名

      現象学年報 23

      ページ: 31-39

  • [雑誌論文] 現代的カテゴリー論の諸相2007

    • 著者名/発表者名
      加地 大介
    • 雑誌名

      Ratio 4

      ページ: 334-357

  • [学会発表] 現代的実体主義の諸相2007

    • 著者名/発表者名
      加地 大介
    • 学会等名
      哲学若手研究者フォーラム
    • 発表場所
      東京・代々木センター
    • 年月日
      2007-07-21
  • [学会発表] 性質に関する中性-元論について2007

    • 著者名/発表者名
      崎井 将之・加地 大介
    • 学会等名
      科学基礎論学会
    • 発表場所
      鳥取大学
    • 年月日
      2007-06-17
  • [図書] 穴と境界-存在論的考察2008

    • 著者名/発表者名
      加地 大介
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      春秋社
  • [備考]

    • URL

      http://www.kyy.saitama-u.ac.jp/~kachi/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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