1)現代の心の哲学において「エネルゲイア」概念が果たしうる役割とその関連性について再考し「魂の発見-いつ、誰が、そしていかにして」(岩波講座哲学5『心・脳の哲学』所収)として纏めた。2)2008年度の哲学会におけるシンポジウム「価値と実在」において、倫理学において論じられている価値の実在性について、通常、主観的であるとされる「善」がむしろ客観的であり、個人における善のあり方を制約するとされる「正」の方むしろ「契約論的な構成」である可能性を示唆した。 さらに、20年度後半にはアリストテレスの『分析論後書』の翻訳を開始し、その荒訳を作成し、21年度を通じて検討した。
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