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2007 年度 実績報告書

ホッブズ思想の発展史に見る近代の生成

研究課題

研究課題/領域番号 19520018
研究機関三重大学

研究代表者

秋元 ひろと  三重大学, 教育学部, 教授 (80242923)

キーワードホッブズ / アリストテレス / ルネサンス / レトリック
研究概要

本研究は,近代政治哲学の確立者とも言うべきホッブズの思想をその発展史という観点から取り上げ,ホッブズが,西欧の思想伝統の継承と批判を通じて,どのようにして近代思想を確立していくかを明らかにすることを目的とする。研究の初年度にあたる本年度は,とくにホッブズの哲学・学問観全般,および政治哲学方法論に焦点を合わせ,ホッブズが,その政治哲学を展開する枠組みをどのようにして獲得していったかを明らかにすることを目指した。
『法の原理』『リヴァイアサン』『物体論』『市民論』『物体論』などの関連著作の読解と比較検討を通じて,観想的な知識を実践的知識や製作的知識の上位に位置づけるアリストテレス的な学問観から出発したホッブズが,やがてそれを乗り越え,製作物を対象とする知識こそが厳密な論証が成立する領域であるとの立場を確立し,自然状態に置かれた諸個人の人為的製作物として国家を捉える社会契約論を展開する方法論的基盤を獲得したことを明らかにした。また,古代ギリシア・ローマ以来の伝統であり,ルネサンス期に復活した雄弁ないしレトリックの重視という要素にっいて,一時期そめ伝統から距離をとろうとしたホッブズが,やがて,政治哲学は理性によって確立されるたんなる理論的構築物ではなく,雄弁による説得という効果をもつことをその本質的要素として含む実践的装置でもある,という認識をもつに至り,その認識に基づいて,理性と雄弁の総合として自らの政治哲学を展開したことを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 自然状態・政治状態とヨーロッパ政治思想の伝統2008

    • 著者名/発表者名
      秋元 ひろと
    • 雑誌名

      『論集』三重大学(哲学・思想学系, 哲学・倫理学教室) 12

      ページ: 53-65

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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