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2008 年度 実績報告書

ハイデガー存在思惟における「聖なるもの」の位相-「倫理」の基底への問い-

研究課題

研究課題/領域番号 19520023
研究機関愛媛大学

研究代表者

寿 卓三  愛媛大学, 教育学部, 教授 (30186712)

研究分担者 上利 博規  静岡大学, 人文学部, 教授 (20222523)
森 秀樹  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (00274027)
キーワード哲学 / 倫理学 / 聖なるもの / 教育
研究概要

ハイデガーの存在思惟を「聖なるもの」という視点から捉え返すことによって、「倫理」を再構築し、教育における「権威」の可能性を切り拓くという研究課題に精力的に取り組み、以下の2点を明らかにした。
1公共性の再生を可能にする基軸としての「自己」という視座の重要性
不気味さがもたらす不安は、われわれの存在基盤を揺るがし破壊的な結果を招来する危険性を宿している。しかし他方で、不安は、われわれの能動性・積極性なるものが総駆り立て体制の中で強制されたものであることを対自化させる契機でもあり、自らの内なる声にじっくりと声を傾ける能動的な受動性を媒介にして、〈公共性〉の再生を可能にする〈自己〉を再構築していく機縁ともなりうることを明らかにした。
2学校現場との協働作業による「聖なるもの」という位相の教育上の可能性の探究
「聖なるもの」という位相が教育現場においてどのような意味を持ちうるかについて、具体的教育活動の検討を通して明らかにするために、中学校教員との協働作業を継続的に行った。学びから逃走している子どもたちの現実を見据えるならば、受動的能動ということが強いられる状況そのものを問い直す必要性が確認された。そして、教科指導に際し、他者の意見への傾聴を促進し、この過程で開けてくる「聖なるもの」の次元へと学習者の注意を促していくならば、他者との協働関係を構築し自立的な学びを可能にする能動的受動の姿勢である「溜め」や「有能感capability」を学習者に習得させていく可能性があることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「公共性」と「開示性」とのあわい2008

    • 著者名/発表者名
      寿 卓三
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部紀要 第55巻

      ページ: 1-26

  • [学会発表] ハイデガー存在論における「公共性〈批判〉」の広袤2008

    • 著者名/発表者名
      寿卓三
    • 学会等名
      ハイデガー・フォーラム第3回大会
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      20080000
  • [備考]

    • URL

      http://www.ed.ehime-u.ac.jp/~kiyou/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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