2008年度には、ワイス教授講演会(2008年11月20日、立教大学)。コロキウム「神経科学と哲学」 (2008年11月20日、東京大学)。ロゴザンスキー教授講演会(2008年11月21日、慶應大学)。国際シンポジウム「新たな身体の哲学の構築に向けた国際的研究」(2008年11月22・23日、立教大学)、国際シンポジウム「メルロ=ポンティと現象学」(2008年11月25日、立命館大学)。ロゴザンスキー教授氏講演会(2008年11月27日、大阪大学)、総括会議(2009年3月21日、東京電機大学)などを開催した。このうちとくに国際シンポジウム「新たな身体の哲学の構築に向けた国際的研究」は、本研究の総括であり、日、仏、米、英、伊、中から15名のメルロ=ポンティ研究者を招いて、集中的な公開討議を行った。11月22日には、「歴史と自然のキアスムとしての身体」と題して、フランスを中心に展開されている新たなメルローポンティ研究、とくに身体論と存在論、他者論、知覚論、政治理論、芸術論のかかわりを総括し、メルローポンティの身体論研究の深まりを明らかにした。11月23日は、「知覚する身体の広がり」と題して、主に英米における心の哲学や、心理学、認知科学、脳科学、ロボット工学、看護学、精神病理学、臨床心理学、教育心理学などの分野において、メルロ=ポンティの身体論の影響の広がりを明らかにした。そして全体討議において、メルローポンティの身体論の深まりと広がりを概括することによって、新たな発展の可能性を探ることができた。これらの発表の様子はホームページ上で公開中である。また会場では欧文と和文の報告集とそのCD-ROMが配布された。発表の大半が雑誌の特集号として公刊された(『現代思想』増刊総特集メルロ=ポンティ、2008年12月)。
|