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2007 年度 実績報告書

東アジア地域の思想・文化におけるルサンチマン研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520029
研究機関東海大学

研究代表者

菅野 孝彦  東海大学, 総合教育センター, 教授 (50221908)

キーワードルサンチマン / 怨霊信仰 / 恨の思想 / 報怨以徳の思想
研究概要

本研究課題の第一年度として、まず、研究代表者のこれまでのフリードリッヒ・ニーチェやマックス・シェーラー研究を出発点としさらに深化させ、ニーチェやシェーラーにおけるルサンチマン概念の確定を行った。ニーチェの思想発展の後期からとくに『道徳の系譜』を中心に取りあげ、後期思想の他の中心概念である永遠回帰思想、超人思想、ニヒリズム思想等との結びつきも視野に入れルサンチマン概念の確定を進めた。同時に、東アジア各地域の思想・文化におけるルサンチマン研究の第一年度重点対象地域として日本を位置づけ、「怨霊信仰」研究を主題化した。その考究は、神仏習合の歴史的展開の流れの中で捉えようとする試みであり、律令国家体制下大乗仏教の摂取とともに神祇信仰が変容し神宮寺の建立がなされた第一段階、「怨霊信仰」の発生がみられる平安期における神仏習合の第二段階を中心に行われた。
こうした取り組みは、東アジア各地域における行為主体の他者に対する感情・思想の問題を、ルサンチマン概念を切り口として考究する本研究の目的にそうものであった。ニーチェやシェーラーにおけるルサンチマン概念の確定は、本研究の基軸をなすルサンチマン概念を明確にするに不可欠な試みであった。また、本年度における「怨霊信仰」研究は、東アジア各地域の中から日本を重点地域として設定し、ルサンチマン概念の日本的変容とする観点を明らかにする一助であった。日本における「怨霊信仰」研究は、朝鮮においては「恨の思想」を、中国においては「報怨以徳の思想」をそれぞれ手がかりとしルサンチマン概念の変容を対比的に研究する一端をなすものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] フィンセント・ファン・ゴッホにみる絵画と思索との架橋2008

    • 著者名/発表者名
      菅野 孝彦
    • 雑誌名

      哲学・思想論叢 26

      ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] L.フォイエルバッハ思想の意義と限界2008

    • 著者名/発表者名
      菅野 孝彦
    • 雑誌名

      東海大学総合教育センター紀要 28

      ページ: 45-54

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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