本研究の目的は、プラトンの対話篇に頻出する表現形式であるミュートスが、プラトン哲学の中で果たしている哲学的機能とその意味を、プラトン哲学全体にわたって総合的に分析することにある。この目的を達成するために、本研究では、ミュートスを大きく「終末論的ミュートス」と「宇宙論的ミュートス」に分類し、それぞれの該当作品におけるミュートスの語りの文脈の個別的分析作業(レベル1)を通して、それぞれのテーマの中でのミュートスの役割を解明し(レベル2)、最終的には、プラトン哲学全体の中でのその位置づけを総合的に明確にした(レベル3)。
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