研究概要 |
インド正統哲学派のひとつミーマーンサー祭事哲学派は,人間の倫理・宗教の源泉をインド最古の文献であるヴェーダ聖典に求め,そのヴェーダ聖典の超越性を哲学的に基礎づけようとした.インドにおける真理論,言語論等は同派の思想を抜きにしては考えられない.本研究は,そのようなミーマーンサー学派の哲学的営為の全体像を,同派最大の学匠クマーリラ・バッタ(七世紀頃)の『ミーマーンサー・シュローカ・ヴァールティッカ』に対する綱要書『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』と『マーナメーヨーダヤ』に基づき解明しようとするものである.具体的には,まず第一に,『マーナメーヨーダヤ』の初の和訳研究を行う.第二に現行の刊本の校訂が不十分な『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』を写本及び注釈『ヴャーキャー』を利用し再校訂する.第三に『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』和訳研究を行う.これらの作業を通じてミーマーンサー・シュローカ・ヴァールティッカ』の諸論点を明確に提示することをめざす
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