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2008 年度 実績報告書

『金光明経』を通して見るインド大乗仏教の姿

研究課題

研究課題/領域番号 19520053
研究機関山口県立大学

研究代表者

鈴木 隆泰  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (20282709)

キーワード大乗経典 / インド仏教の実像理解 / 宗教における教義と儀礼 / 宗教における本音と建て前 / 大乗仏教の社会的認知 / 出家者と在家者の関係 / 仏教の衰亡と延命策 / 布施
研究概要

【1.チベット訳校訂作業に関する研究実績】
『金光明経』に含まれる諸章のうち、「善生王品第二十一(Susambhavaparivarta)」に対して、Peking版(平成20年度補助金によって入手済。デジタル・アーカイブ化済)、Narthang版(平成19年度補助金によって入手済。デジタル・アーカイブ化済)、Stog Palace写本(入手済。デジタル・アーカイブ化済)、Tokvo写本(平成20年度補助金によって入手済み。デジタル・アーカイブ化途中)という、チベット訳校訂作業に際しての必須資料を中心にNobel[1944]とも比較校合を行いながら校訂作業を進めた。その結果、1940年代以降停滞していた『金光明経』のテクスト研究に進展をもたらした。
【2.<仮説>の検証を通した、インド宗教文化理解・インド仏教実像理解に関する研究実績】
『金光明経』のうち、世俗的利益を中心に説く連続した六章(<諸天に関する五品>および「王法正論品」)に後続する「善生王品」に焦点を当て、すでに提示している、インド宗教文化理解・インド仏教実像理解に関わる<仮説>の検証を行った。その結果、「伝法や修行という自らの目的を達成するために『金光明経』の制作者は、『金光明経』・法師・現前サンガに対する布施による無上菩提・法身獲得を説く「善生王品」を通じ、出世間的利益を求める人人からも経済的援助を得ようと試みた」という結論を得たことで、<仮説>の有効性が一層確かめられ、その結果、インド宗教文化・インド仏教の実像理解に資することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Attainment of Supreme Enlightenment through the Offerings Represented in the Suvarnaprabhasa2009

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI Takayasu
    • 雑誌名

      Journal of Indian and Buddhist Studies 118(57-3)

      ページ: 78-86

    • 査読あり
  • [学会発表] 『金光明経』における法性のストゥーパと衆生利益-前生譚を通じた「諸天薬叉護持品」への接続-2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆泰
    • 学会等名
      日本印度学仏教学会第59回学術大会
    • 発表場所
      愛知学院大学
    • 年月日
      2008-09-04
  • [備考]

    • URL

      http://suzuki.ypu.jp/research.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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