研究概要 |
1.『大乗四論玄義記』の訓読訳については、平成19年度には、「感応義」・「仏性義」の章の訓読訳を作成したが、20年度には、引き続き、「断伏義」「金剛心義」「二諦義」「三乗義」「荘厳義」「三位義」の訓読訳を作成した。残念ながら、「二智義」の訓読訳は残り、21年度に完成する予定である。これですべて訓読訳は完成することになる。 2.中国南朝仏教の「機と感応」思想について、最初期の例として道生と僧亮を取り上げ研究し、第15回国際仏教学会(IABS,開催地:アトランタ)で、“On the Concepts of 'Salvific Impetus' and 'Stimulus and Response' in the Early Period of Chinese Buddhism: Focusing on the Cases of Daosheng and Sengliang"と題して発表した。その英語論文も刊行された。 3.中国南朝の法華教学の代表的な成果の一つである智〓・灌頂『法華文句』の訳注研究を進め、昨年度に引き続き、第二冊を刊行した。 4.日本印度学仏教学会で、「『大乗四論玄義記』の基礎的研究」と題して発表し、論文も刊行された。 5.韓国金剛大学校仏教文化研究所主催の第二回学術セミナー「『大乗四論玄義記』とその周辺」に招待され、「『大乗四論玄義記』の研究序説-自己の基本的立場の表明」と題して発表した。
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