本研究の目的は、アジア・太平洋戦争終戦後、仏教集団による仏教社会運動が、戦後日本社会の形成にどのように寄与したのかを、実証的に調査・研究することである。本年度は、賀川豊彦記念松沢資料館、部落解放・人権研究所博物館りぶら、幕末と明治博物館、京都大学人文学研究所、大阪人権博物館、印刷博物館、日本大学文理学部図書館、宗教情報リサーチセンターで、戦前から現代に至る宗教者の平和運動に関する資料を閲覧、収集した。また、歴史資料の収集と同時に、聞き取り調査も行い、京都の宗教者平和運動を長年にわたって牽引してきたM氏に、ご自身の平和運動の取り組み、京都の宗教者平和運動の特徴等について、貴重なお話を伺うことができた。そして、2008年9月27日には、大阪カテドラル聖マリア大聖堂で開催された「宗教者九条の和」輝かせたい憲法第九条第4回シンポジウムと平和巡礼inおおさかに参加し、宗教者平和運動の現状を見学した。 以上、今年度は、宗教者(仏教者)の平和運動を中心に、その歴史と現状を把握するための文献調査、聞き取り調査、参与観察を行った。来年度は研究年度の最終年にあたるため、これまでの調査・研究成果を公刊すべく、研究活動に取り組む予定である。
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