本研究では1940年代後半以降、米軍占領下の琉球列島においてキリスト教会や信徒の軍事占領下における活動を歴史的に検証し、それらが地域社会とどのような関係を構築してきたかを解明しようとするものである。そして、これまで、日本や沖縄で試みられてきた「一国伝道史」的キリスト教史の方法や視角を根本的に見直し、「キリスト教交流史」という方法論を確立しようとするものである。具体的には以下の課題について取り組んでいる。 (1)キリスト教に関わる諸団体・組織についての調査と研究 (2)沖縄キリスト教史についての第一次史料(特に1940年代後半)の収集と保存 (3)軍事占領をめぐる政治状況や国際情勢とキリスト教の関わりについての調査と研究 (4)宮古・八重山群島のキリスト教についての包括的研究 (5)軍事占領下におけるキリスト教と地域社会との関係の総括と、「キリスト教交流史」の方法論の確立。
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