研究課題
<本年度の成果>・イブン・スィーナー著『治癒の書』(形而上学部分)のアラビア語原典の読解と訳文作成をおこなった。具体的には同書「形而上学」部分を、カイロ版、マルムラ版を基に、ムッラー・サドラーおよびナラーギーのアラビア語注釈、ラテン語訳、英訳(マルムラ)、仏訳(アナワティー)を参照しつつ精読した。これに通年で10回の定例研究会(午後2時より午後7時まで)を充てた。・本研究に関連するアラビア語写本の調査をオックスフォード大学ボドレイアン図書館で行い、写本のデジタル映像と多数の研究文献を収集した。・イブン・スィーナーの思想全般に関する研究をおこなった(研究代表者・小林春夫)。・ギリシア・ラテン思想とイブン・スィーナーの思想との影響関係に関する研究をおこなった(研究分担者・堀江聡)。・シリア思想とイブン・スィーナーの思想との影響関係に関する研究をおこなった(研究分担者・高橋英海)・ファーラービーおよび回儒思想とイブン・スィーナーの思想との影響関係に関する研究をおこなった(研究分担者・仁子寿晴)<意義、重要性>・本年度も本研究の主目的である『治癒の書』原典の精読を着実に進めた。・同書の解題と研究案内を学術雑誌に発表した。・邦訳の公刊に向けて凡例、語彙リストを作成し、第1章の翻訳・訳注をまとめた。またそのために訳語の確定、データ入力、レイアウトの確定、特殊文字の処理方法について検討し、既読部分のデータを蓄積した。・研究代表者と分担者がそれぞれの専門領域において関連研究をおこない、最新の研究動向を確認した。
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