まず、スピノザ、フランツ・ローゼンツヴァイク、レオ・シュトラウス、レヴィナスなどのユダヤ系哲学者について研究発表を行い、論文を執筆した。これらはフランスはパリの全イスラエル同盟古文書館での文献調査の成果である。第二に、二つの国際シンポジウムを開催した。ひとつはシムーヌ・ヴェイユについての会議で、その際、パリ第七大学のマルティーヌ・レボヴィシ氏を招聘することができた。二つ目は、在イスラエルの政治思想家メロンベン・ベンヴェニスティ氏を招聘しての、ユダヤ性と都市をめぐる会議で、いずれのシンポジウムについても小冊子を刊行した。第三に、当初の目標を果たすべくユダヤ研究のサイトを立ち上げることができた。また、ブーレッツの大部のユダヤ教論考の翻訳もほぼ終了した。幸いにも、発足間もない京都ユダヤ思想学会とも生産的な協力関係を築くことができた。
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