4月20日から5月5日までのGW期間、8月17日から9月18日までの夏期休暇期間、12月21日から1月7日の冬季休暇期間、3月14日から4月1日までの春期休暇期間の計4回、イタリアのフィレンツェに滞在し、調査研究をおこなった。画家アレッサンドロ・フランキの作品注文主の一人であるガスパーレ・オルミの著作を、フィレンツェ国立中央図書館、シエナ公立図書館、フィレンツェのサンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂文書館で閲覧・調査した。またプラート大聖堂所蔵《聖家族》の実地検証をおこない、図版を入手した。冬季休暇期間にはフランキの師である画家ルイジ・ムッシーニの回顧展(シエナ、サン・マルティーノ・アッラ・スカーラ美術館)を見学し、図緑を入手した。同展覧会にはフランキの初期作品、デッサン等も多数展示され、またムッシーニの宗教画について従来知られていなかった知見をも得ることができた。その内容は20年度中に『五浦論叢』(茨城大学五浦美術文化研究所紀要)等で発表する予定である。 イタリア滞在中にはフィレンツェ大学文哲学部カルロ・デル・ブラーヴォ教授と3回面談し、フランキ作品の解釈について意見を交わした。またフィレンツェのチョンピ広場古物市、同じくフィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソ古物市等で、19世紀から20世紀にかけての小型礼拝用図像サンティーニを収集し、フランキ作品を原画とする貴重なサンティーニをも多数入手することができた。
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