研究課題
フィレンツェ大学文哲学部中世・ルネサンス研究所の招聘研究員として、5月10日から8月9日まで、及び8月26日から11月24日までの期間、イタリアのフィレンツェに滞在し、調査研究をおこなった。画家アレッサンドロ・フランキの作品注文主の一人であるガスパーレ・オルミの著作、また初期の後援者であるチェーザレ・グアスティの著作を、フィレンツェ国立中央図書館で閲覧・調査した。また本年度もフィレンツェのチョンピ広場古物市、同じくフィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソ古物市、その他フィレンツェ近郊の小都市における古物市場を調査し、19世紀から20世紀にかけての小型礼拝用図像サンティーニを収集し、フランキ作品を原画とする貴重なサンティーニ等の収集を継続した。さらにフィレンツェ在住の美術史家アレッサンドロ・ケルビーニ氏、シモーネ・ネーリ氏、フィレンツェ大学文哲学部カルロ・デル・ブラーヴォ教授と面談し、フランキ作品の解釈をめぐって意見を交わした。昨年度にフィレンツェのレ・レッテレ社刊行の美術史専門誌『アルティスタ』に掲載が認められた、フランキに関する伊語論文が2009年7月末に刊行された。掲載紙の年号は2008年となっているが、実際の刊行年は2009年である。また、オルヴィエート、ボローニャ、プラートの三箇所に所蔵されるフランキの《聖家族》の三つのヴァージョン(一八九五年及び一八九八年制作)の図像と銘文の異同とその意味について、上述したガスパーレ・オルミの著書『キリスト教徒の家族の模範たるナザレの家族」(シエナ、一八九五年)の内容と関連づけた論文を、『五浦論叢』(茨城大学五浦美術文化研究所紀要)第16号(2009年九月三十日刊行)に掲載した。
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Artista-Critica dell'arte in Toscana 20,2008
ページ: 116-131
『五浦論叢』(茨城大学五浦美術文化研究所紀要) 16
ページ: 65-74
http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.htm