研究概要 |
平成19年度は、イギリスにおける裁判所建築の様式上の変遷を、1707年の議会統合以降のイングランドおよびスコットランドの諸事例について整理したうえで、ロンドン王立裁判所(Royal Courts of Justice,London)建設のための設計競技、およびゴシック建築としてのロンドン王立裁判所の形態的、空間的特徴について検討を行った。また、ロンドン王立裁判所の設計者であるジョージ・エドムンド・ストリート(George Edmund Street、1824-81)の著作物に注目し、ロンドン王立裁判所において具現化されることになったストリートのゴシック観の把握に努めた。平成19年度の本研究課題に関する研究で得られた知見は、発表標題"George Edmund Street's Patriotic-Religious Vision:The Narrative Strategy of a Gothic Revivalist"として平成20年10月に大阪大学中之島センター・国立国際美術館・京都国立近代美術館他を会場に開催される第6回デザイン史デザイン学国際会議(ICDHS 2008 0SAKA:The 6th International Conference on Design History and Design Studies)において口頭発表する予定(同発表のAbstractは平成20年1月に採択済み)である。また、本研究課題の研究実施過程で得られた知見の一部は、著書『時代精神と建築-近・現代イギリスにおける様式思想の展開』(知泉書館、2007年12月)の中に反映することができた。
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