研究概要 |
当該年度においては、年度別研究実施計画に基き、 (1)検証対象であるメキシコ壁画運動を生んだ「メキシコ革命」とナショナリズムの問題, (2)メキシコにおける壁画のルーツをたどる土着性の問題、の2点を主に検証を進めた。 上記(1)の調査対象としてはメキシコ革命政治家や軍人を輩出した北部ハリスコ州とチワワ州を中心に、独立戦争時代からメキシコ革命時代に至る歴史資料や芸術家たちの動向を、関連の諸文化施設や大学教育機関などの訪問調査にあてた。また日本にはまだ未紹介の壁画作品調査なども手がけた。 上記(2)の調査対象としては、メキシコ最古の洞窟壁画群の存在するバハ・カリフォルニア州サンフランシスコ山地に注目し、現地調査とあわせて、その美術伝統が現代までどのように継承されてきたかを検証した。 また研究成果の一部発表として区立世田谷美術館における「メキシコ20世紀絵画展」(2009年7月4日~8月30日)カタログ執筆、作品解説、連続講演会(4回)、NHKTV番組{迷宮美術館}出演などを実施。
|