メキシコ壁画運動は少なからず〈革命の美術〉という性格を有していたことを検証してきた。当該年度においてはこの〈革命の美術〉という言説がどの範囲まで普遍性をもつものなのかを検証するため、メキシコより約半世紀後に「キューバ革命」を達成したキューバにおけるモダンアートの検証とデータ収集を実施した。あわせて、平成19、20年度の研究成果を核とした研究成果公開(学術図書出版)に向けた編集、校正作業にも従事した。 1.平成21年4-8月は、調査地キューバの最新政情情報確認、調査地、ルート、調査期間など旅程作成。 同時にこの期間に研究成果公開に向けた岩波出版社との編集打ち合わせ、使用資料の著作権者、所有者などへの使用許可確認作業を同社法務部の助言を得ながら実施。 2.平成21年8月30日より9月22日までキューバ国、およびメキシコでのフィールド調査実施。 約3千枚に及ぶ静止画データと文献資料約40点を収集。 3.平成21年9月末-12月は収集資料の整理、ファイリング作業に従事。並行して研究成果公開に向けての図版編集などを行う。 4.平成22年3月に著書「ディエゴ・リベラの生涯と壁画」出版。
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