研究概要 |
・最終年度においてもまた、雑誌DBの作成を継続した。これまでDBソフト「アクセス」に、「文芸年鑑」「出版年鑑」のデータを入力してきたが、今年度は希少性の高い「雑誌年鎌」の昭和17年度版のデータを追加入力し、刊行された「雑誌年鑑」すべての入力を完成した。あわせて、これまですべての入力作業の点検を行った。「雑誌年鑑」DBの入力データ数は、合わせて4,637点に登っている.年鑑の中から。文学関係の記事のある雑誌を独自基準に従って選定し、その発行所、創刊年月、発行人、発行地、雑誌のジャンル、主な執筆者や同人、などのデータを入力し、検索できる形を整えている.雑誌の損傷が激しいこと、雑誌年鑑の分類項目が年度ごとに変更されていることなど、困難な条件が重なったが、「文芸年鑑」ともども、計画当初の目的をほぼ達成したものと考えている。 ・個人的に収集した資料のデータの入力を継続し、あらたに300点以上を追加入力した。 ・「文芸年鑑」「出版年鑑」等、各DBの統合作業も行い、ある特定の雑誌についてどの年鑑に記載されているか、また発行所、発行期間、発行地はどこであるか、等の調査が容易にできるようになった。これにより、ある都道府県である期間に刊行された文学関係雑誌にどのようなものがあるか、また、文学関係の記事の多い美術雑誌にどのようなものがあるか、などといった検索が行えるようになった。 ・引き続き実態解明の進んでいない第二次大戦関連の疎開地における文学関係雑誌の調査を行った。本年度は、九州地方に出張し、火野葦平資料館(北九州市)、河伯洞(同)、薩摩川内市川内まごころ文学館(鹿児島県川内市)等において資料調査を行った。また、宮城県の仙台文学館において講演を行い、その際、本研究の調査データを活用した。
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