明治~昭和前半期に刊行された定期刊行物のうち、タイトル数でいえば公共機関に収蔵されているものの割合は極めて限られている。本研究は、近・現代に刊行された文学関係の雑誌類に関して、残された公的データを基に、実物未確認のものも含めた総合的なデータベースを作成することを目的としている。申請者はこれまでに20年以上にわたって資料収集を行う一方、文芸年鑑、雑誌年鑑、個人収蔵資料の3種類のデータベースを作成してきた。これらを基礎に、大幅なデータの加増と相互の統合、関連づけを行い、さまざまな検索を行えるシステムを構築する。さらにこれらのデータを応用した出版文化論を展開することによって、大衆文化、美術との関係、「疎開」と戦後文化など、広い視野から同時代の「文学」概念を捉え直す研究を行う。
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