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2007 年度 実績報告書

女性表現と国民国家-文学的感傷の機制を視座に

研究課題

研究課題/領域番号 19520140
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

菅 聡子  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (70224871)

キーワード女性作家 / ジェンダー / 国民国家 / メディア / 女子教育
研究概要

本研究の目的は、次の二点、すなわち(1)明治期の女性の国民化における和歌の機能について考察すること(2)女性表現における国家(政治)との共闘/対抗のさまを、とくに広範な一般読者を獲得したいわゆる大衆小説と呼ばれるテクストの分析を通して明らかにするごとを通して、日本近代における女性作家(女性表現者)の国民化の問題を考察することである。
第一点目については、昭憲皇太后の歌の収集ならびに読み込みを開始した。基本文献を入手し、一首ずつについての基本的な読解を行うと同時に、『女学雑誌』『女鑑』等の女子教育関係雑誌における皇后関係記事を収集した。その成果として、東京女子高等師範学校と美子皇后の関係性について、女性の国民化の観点から論じ、国際学会で発表ののち、論文として公表した。小国民の教育を担うことを使命とする当該校とジェンダー・ロールとしての皇后の関係について、具体的に明らかにすることができた。
第二点目については、吉屋信子の『女の教室』(1939)について、基本資料を収集し、本文校訂を行った。すでにテクスト分析に着手しているが、論文の公表は平成20年度に行う予定である。
また、この問題意識から展開し、女性読者の動向について広く考察すべき必要を感じ、戦後の女性読者の新しい読書様式・意識について、昭和三十年代の文学状況と連関させて考察した論文を発表した。吉屋作品の戦中・戦後の受容と比較するための基準を定めることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 国家と女学生-東京女子高等師範学校を事例として-2008

    • 著者名/発表者名
      菅 聡子
    • 雑誌名

      お茶の水女子大学「人文科学研究」 4

      ページ: 41-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 〈よろめき〉と女性読者2008

    • 著者名/発表者名
      菅 聡子
    • 雑誌名

      「文学」(岩波書店) 9-2

      ページ: 54-68

  • [学会発表] 国家と女学生-東京女子高等師範学校を事例として2007

    • 著者名/発表者名
      菅 聡子
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2007-08-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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