本研究は、平曲(平家琵琶)に関するいろいろな資料を調査し、整理しようとするものである。 (1)本年度調査を行った平曲譜本は以下の通りである。 駒澤大學附属図書館蔵『前田流平曲譜本』および波多野流平曲譜本。 京都市歴史資料館蔵・奥村家資料中の諸譜本。 (2)本年度調査を行った當道資料は以下の通りである。 國學院大學文学部松尾葦江研究室・個人蔵『當道略記』。 京都市歴史資料館蔵・奥村家資料中の諸當道資料 国会図書館蔵『妙音講縁起』。 (3)本年度購入した関係資料は以下の通りである。 平曲譜本2冊(豊川本系。11句)。『當道略記』(一軸)。 (4)尾崎家本『平家正節』の翻刻写譜。…平家物語の巻第十二および灌頂卷が終了し、『平家正節』全句のパソコン入力が完了した。将来、何らかの形による公刊を考えたい。 (5)甲南女子大学本『平家物語』の翻刻は、巻第七が終了した。 (6)『當道略記」に関して新出資料のテキスト調査を行い、その一部は松尾葦江他編「平成二十一年度國學院大學文学部共同研究報告」に発表した。 (7)『當道略記』に関連して、『妙音講縁起』に着目、国会図書館本等との比較検討の上で、この書の意義を検討し、架蔵本の紹介を行った。
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