口誦文藝研究にとって、比較的よい条件・資料が得られる対象と判断して、平曲(平家物語の語り)を取り上げつつ、その伝承資料の整理を行うものである。 「平曲伝承資料」とは、大別して次の三種である。 (イ)平曲譜本(ロ)平曲指南書(ハ)當道資料(盲人資料)。 本研究は(イ)の調査(実物についての書誌調査、墨譜に関する調査、本文に関する調査など)、紙焼写真などの収集、整理を中心に計画している。現存の譜本のうち、公的機関の所蔵する譜本の調査は、大半終了している。しかし、未調査および精査の必要なおもな機関が、いくつかあり、本研究では、それらの調査を基本にし、主要資料の複写の入手、また古書として関連資料が出た場合に、(金額は廉価でなければ手が出ないが)出来るだけ入手するよう心がけている。 また、海外の所蔵機関にも関連資料がある。その一部は、予備調査的なものを行ったが、再調査も含めて、資料調査を行うことを計画している。
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