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2008 年度 実績報告書

現代能楽史の地方展開

研究課題

研究課題/領域番号 19520144
研究機関金沢大学

研究代表者

西村 聡  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (00131269)

キーワード能楽 / 現代 / 地方 / 舞台 / 雑誌 / 番組 / 無形文化遺産 / 藩邸
研究概要

地方能楽史研究の先駆的業績の代表例と言える,日置謙の諸著作及び梶井幸代・密田良二著『金沢の能楽』の達成を,金沢市立玉川図書館加越能文庫蔵の資料調査をもとに,将軍・大御所の加賀藩邸への御成の評価から検証することを試みた。その結果,日置謙編の『加賀藩史料』には多くの能番組を含む御成記録が掲載され,『金沢の能楽』の記述の根拠となっていること,しかし日置謙編の『石川県史』は地元の歴史を記述するために,江戸の藩邸の催能までは視野に入れていないこと,加越能文庫蔵の資料には両者の能楽史記述には未利用の御成記録が少なくないこと,それらとの照合により相当数の誤刻・誤植が訂正できること,御成記録自体が書写の過程で多くの異伝を派生したこと,などが明らかになった。加賀藩能楽史という地方能楽史を完結させるには,江戸や京都の藩邸催事への目配りが欠かせない。そして同時に,藩邸という江戸における<地方>の催事に,当時第一線で活躍する江戸や上方の役者たちが動員されている事実が,<中央>の能楽史記述を補完することは,今後さらに注目されてよい。また従来の地方能楽史が,ここで例とした『加賀藩史料』のような史料集に依存して,その正確さの吟味や周辺資料への視野の拡大を怠りがちであったことも反省される。同一の記録のように見える御成記録も,網羅的に比較してみると,地方能楽史の空白を埋める資料が紛れ込んでいるのに気づけるし,御成記録の分類とは別の分類,藩主の年譜などにも,御成能・後宴能の番組が併載されていることがあり,未活用資料の発掘は継続的な作業が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 元和, 寛永期加賀藩邸御成能番組集成-加越能文庫蔵御成記録を主として-2009

    • 著者名/発表者名
      西村聡
    • 雑誌名

      金沢大学国語国文 34

      ページ: 188-195

  • [雑誌論文] 加賀藩江戸藩邸御成能記録と能番組-前田家三代利常治藩期を中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      西村聡
    • 雑誌名

      能と狂言 7

      ページ: 31-37

  • [学会発表] 加賀藩江戸藩邸御成記録と能番組-三代前田利常治藩期を中心に-2008

    • 著者名/発表者名
      西村 聡
    • 学会等名
      能楽学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2008-05-18

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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