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2009 年度 実績報告書

上田秋成の和文作品本文の生成と変容についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520152
研究機関大阪大学

研究代表者

飯倉 洋一  大阪大学, 文学研究科, 教授 (40176037)

キーワード秋成 / 和文 / 文反古 / 生成 / 異文
研究概要

前年度に引き続き、刊本『文反古』とその異文および周辺の和文作品についての研究を進めた。研究成果報告書には、その成果の一部である『文反古』注釈を掲載することにした。『文反古』は秋成晩年の作品で、和文の生成と変容を探るのに適している。またこれまでは、秋成の伝記資料に用いられるばかりで、作品としての検討が全くなされておらず、当然注釈も皆無である。研究成果報告書に掲載した注釈稿は、はじめての注釈として意義があるのみならず、秋成の伝記研究や近世京都文壇の研究にも資するものである。
また、秋成晩年の草稿投棄が『春雨物語』の形成に関わっていることを、秋成の「いつはり」意識の観点から考察し、研究発表および論文執筆を行った。本研究は、秋成晩年の作品に一貫して流れる「いつはり」の自覚的意識を、晩年の草稿投棄との関係で解き明かそうとしたものである。秋成晩年の創作意識の議論に重要な提言をしたと考えている。
その他関連する論文2本を発表した。
2010年1月には、特別研究会を大阪大学で開催し、稲田篤信(首都大学東京教授)・長島弘明(東京大学教授)・廣瀬千紗子(同志社女子大学教授)の三氏をお招きして、それぞれが研究発表会を行った。発表内容は、稲田篤信「寛政期上方文壇と和文」、廣瀬千紗子「秋成の茶論と和文」、飯倉洋一「『文反古』と「麻知文」」長島弘明「『藤簍冊子』再考」で、活発な議論が行われ、有意義であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 秋成における「いつはり」の問題-『春雨物語』を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      飯倉洋一
    • 雑誌名

      日本研究 13輯(in press)

  • [雑誌論文] 濫觴期絵本読本における公家・地下官人の序文2009

    • 著者名/発表者名
      飯倉洋一
    • 雑誌名

      江戸文学 40号

      ページ: 51-60

  • [雑誌論文] 尼子経久物語としての「菊花の約」2009

    • 著者名/発表者名
      飯倉洋一
    • 雑誌名

      日本のことばと文化-日本と中国の日本文化研究の接点

      ページ: 58-69

  • [学会発表] 秋成における「いつはり」の問題2009

    • 著者名/発表者名
      飯倉洋一
    • 学会等名
      2009年度学術シンポジウム「日本近世文学・文芸の中心と周縁」
    • 発表場所
      高麗大学 (韓国・ソウル)
    • 年月日
      2009-09-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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