本年度には以下のことを行った。1.『大和名所図会』『摂津名所図会』等の版本名所図会挿画について、デジタル情報を作成するために、挿画を丁ごとにデジタルカメラで取り込み。 2.挿画内容の考証に用いる文献などの周辺資料の調査のために東京・京都への国内調査旅行。 3.調査などで収集した資料の分類、版本名所図会挿画データベース化についての検討。版本名所図会挿画やテキストの検索の基礎となるテーブルや風俗描写の記述に有効なリレーションの構造を中心に、研究協力者の協力を得てデータベースの設計の考察。 4.収集資料をデータベースに収録するために、索引などを付与した画像データ化。名所図会中の本文や挿画内ある文字についても、同時にテキストデータ化。 5.挿画の中に描写されている事物を画像を含んだ形で細かく抽出し、挿画とその事物との関係を構造的に記述する情報の付与の検討。 その際、より精度の高いデータベースを作成するために、研究協力者とともに以下の点について検討を重ねた。(1)名称確定の論理性、 (2)切り取り座標軸の設定、 (3)データベースの階層の深化に伴うカテゴリーの論理性、 (4)風俗・文化・地域など周辺資料の検討
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