研究概要 |
名所図会研究は、イコノグラフィー研究の一環として最近研究が活発になっている領域である。従来のイコノグラフィー研究は思想的政治的側面からの研究が主流であったが, たとえば日本記号学会(The Japanese Association for Semiotic Studies), 美術史学会(The Japan Art History Society)などにおいても風俗の小さな意匠に注目したり, また人物の細やかな表現を追求したりする新しい研究が行われている。 本研究は、そのような人物表現や小さな意匠など, 文学における風俗研究に特化して版本名所図会挿画を分析し, 全パーツを再構築してリレーショナル・データベースを作成し, 出版学・情報流通論を基礎にして, 近世文学の風俗描写の文学的解明を行うことを目的としたものである。
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