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2007 年度 実績報告書

元禄以前往来物版本の書誌解題研究に基づく近世前期出版研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520160
研究機関京都府立大学

研究代表者

母利 司朗  京都府立大学, 文学部, 教授 (10174369)

キーワード往来物 / 出版 / 大坂 / 近世前期
研究概要

本年度は、研究課題「元禄以前往来物版本の書誌解題研究に基づく近世前期出版研究」(平成19年度〜平成21年度)の初年度にあたり、次のような研究を実行し、成果を得た。
1. 国会図書館・小泉吉永氏所蔵の往来物資料の文献調査および資料収集(JPEG形式)を実行した。
2. 1.に基づき、近世前期の大坂で出版された往来物版本のうち、書誌学上、重要な情報を含むと思われる版本の解題を実行した。
3. 以上の研究をふまえ、次のような考察結果および成果を得た。
(1)既知の資料によるかぎり、大坂の往来物出版は京都・江戸に比べきわめてそのスタートが遅く、延宝六年刊行の『浪花往来』が最初のものであったが、寛文十三年七月本屋(秋田屋)市兵衛版の出版した『増補今川抄』はそれを遡る可能性がある。
(2)作本屋八兵衛は、天和二年の「大和屋甚兵衛座顔見世番付」を最初に、正本を中心に出版した大坂の草紙屋として知られているが、延宝九年本屋八兵衛版『御成敗式目』(武藤正察書)こそが作本屋で確認できる最も古い出版物であろう。
(3)天和三年本屋平兵衛(愚常)版『庭訓往来』は、既知の最も古い大坂版『庭訓往来』である貞享四年版『庭訓往来』(堀流水軒書)を遡る版本である。しかもその表紙は往来物として特異な雷文繋地巻龍文様をもち、大坂におけるこの文様流行の状況をうかがわせる好例といえる。
4. 以上の考察結果を、「元禄以前の大坂版往来物」(『東海近世』18号)として発表予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 元禄以前の大坂版往来物2008

    • 著者名/発表者名
      母利 司朗
    • 雑誌名

      東海近世 18(9月発刊予定)

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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