(1)雑誌『心理研究』データベースの完成 昨年度に着手した『心理研究』(明治45.1~大正14.10)総目次を完成し、記事タイトル別、執筆者別等の検索が可能なようにした。日本における精神分析紹介の出発期の様相が明らかになった。 (2)雑誌『脳』データベースの完成 『脳』(1927.1~1944.3)の総目次を作成、記事タイトル別、執筆者別等の検索が可能なようにした。これによって、『精神分析』と双壁をなす医学者中心の昭和の精神分析紹介雑誌のデータベースが完成した。 (3)雑誌『精神分析』データベースの補充・完成 『精神分析』については昨年度、不二出版から刊行した復刻版に戦前版の総目次を付したが、今年度はそこに収めなかった戦後の分(1952.1~1977.4)の総索引を作成し、タイトル、執筆者等から検索が可能なようにした。 (4)初めて小説に精神分析を導入した伊藤整の雑誌『文芸レビユー』と「新心理文学」について書誌的に確認し、その歴史的意義を明らかにした。 (5)その他、周辺の研究として、井上靖の日中戦争従軍日記、戦後の新聞文藝時評について、翻刻、調査、考察した。
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