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2008 年度 実績報告書

『長珊聞書』を中心とする中世の源氏物語古注釈の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520169
研究機関早稲田大学

研究代表者

陣野 英則  早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (40339627)

キーワード源氏物語 / 古注釈 / 長珊聞書 / 牡丹花肖柏 / 肖柏問答抄 / 三条西家の源氏学 / 伊勢物語 / 引用
研究概要

本研究は、(1)未翻刻の源氏物語古注釈書『長珊聞書』(陽明文庫蔵、全53冊)の翻刻とその内容に関する検討、(2)一条兼良から宗祇、牡丹花肖柏、三条西実隆らへといたる室町時代の源氏物語古注釈の展開に関する新たな視座からの調査・考察、という2点を目的としている。今年度はこれらに直接対応する研究活動として、主に以下の3つを進展させた。
まず、『長珊聞書』の翻刻作業。これは、年度内に全4分冊のうちの第1分冊の刊行を予定していたが、翻刻にかなりの時間を要しているため、平成21年度内の刊行をめざしている。
次に、ベルリン国立図書館蔵『源氏物語』54帖(室町末ごろ書写)の調査。この写本が、三条西家流の本文をもっている可能性があること、またプロパーの調査が充分になされていないことを確認した上で、現地に赴き調査するとともに、マイクロフィルムの複製も入手した。本文は、全体に三条西家流であることが確認されたが、興味深い独自異文を有する箇所があることも把握した。平成21年度以降、より詳細に調査する。
三つめは、横溝博氏(秀明大学専任講師)の全面的な協力を得て、未翻刻資料『源注』(島原松平文庫蔵)の翻刻作業を完了させた。これには、一条兼良から肖柏、三条西家へと展開する注釈の流れをとらえる上できわめて重要な『肖柏問答抄』などが含まれている。この翻刻全文は、平成20年9月刊行の陣野・横溝編『平安文学の古注釈と受容第一集』(武蔵野書院)に掲載した。あわせて、この論集には古注釈に関する論考を多数収載した。そのうちの1本は、拙論「『伊勢物語』と『源氏物語』をつなぐ古注釈-的はずれにみえる注記のみなおし-」である。
上記の研究活動に加えて、本研究に関わる仕事として、古注釈にみえるさまざまな注記の吟味をふまえた論考2篇などをまとめている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 玉鬘と弁のおもと 求婚譚における「心浅き」女房の重要性2009

    • 著者名/発表者名
      陣野英則
    • 雑誌名

      端役で光る源氏物語(世界思想社)

      ページ: 111-128

  • [雑誌論文] 「物語」の切っ先としての薫-『源氏物語』「橋姫」「椎本」巻の言葉から-2008

    • 著者名/発表者名
      陣野英則
    • 雑誌名

      國語と國文學(東京大学国語国文学会) 85-6

      ページ: 18-32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『伊勢物語』と『源氏物語』をつなぐ古注釈-的はずれにみえる注記のみなおし-2008

    • 著者名/発表者名
      陣野英則
    • 雑誌名

      平安文学の古注釈と受容第一集(武蔵野書院)

      ページ: 40-54

  • [学会発表] 『源氏物語』とその同時代文学における「引用」の再検討2008

    • 著者名/発表者名
      陣野英則
    • 学会等名
      平成二十年度全国大学国語国文学会冬季大会 公開シンポジウム第二部「源氏物語研究の現状と展望」
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2008-12-07
  • [図書] 平安文学の古注釈と受容第一集2008

    • 著者名/発表者名
      陣野英則, 横溝博(編)
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      武蔵野書院

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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