平成21年度は、これまでの成果をふまえ、3名で以下の活動を行った 1東京(駒澤大学・東京ガーデンパレス会議室)にて研究会の実施(平成22年1月21日・22日)3名それぞれが、現在のテーマについて発表し、それに基づいて質疑を行った。 目録作成方針について意見交換を行い、今後の作業の基本方針を確認した。 2京都市歴史資料館にて文献資料調査(平成22年2月23日・24日)資料総目録作成のために過去に作成した書誌データと現物の照合、点検、補訂を行い、目録掲載用写真の撮影も併せて行った。鈴木孝庸が執筆した新出資料「波多野流平曲譜本の位置づけ」の読み合わせを行い、修正点について意見交換した。該資料は、謡本として保管され従来の調査では調査対象から除外されていた。京都当道座の最後の中心人物が所有していた資料のなかに従来未知の平曲譜本が含まれていることの意義は大きい。 3京都市歴史資料館にて文献資料調査(平成22年3月30日・31日)作成した目録に遺漏がないか現物との照合を行った。 京都市歴史資料館での悉皆調査の結果、奥村家関連資料を以下の六種に分類した。 (1)当道関係資料(歴史的叙述、式目類)(2)当道関係資料(日録類)(3)平家物語(4)平家琵琶演奏関係資料(譜本・指南書類)(5)平家琵琶(銘:千鳥・相応)(6)平家琵琶関連資料(連歌・文書類) 分類の過程で、従来2種と報告されていた文書が3種存することを発見した。 正確な書誌情報を提供すべく留意し、研究成果として『奥村家関連資料総目録』を作成した。それによって、奥村家関連資料の全貌が見渡せるようになった。
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