平成20年度は、大隅諸島・奄美諸島等で文化叙事伝説に関する実地調査・文献調査を行った。調査は、第1回平成20年8月29日-9月9日鹿児島県大隅諸島の硫黄島・奄美諸島の喜界島、第2回平成21年1月21-26日鹿児島県大隅諸島の竹島、第3回平成21年3月12-17日沖縄本島の宜野湾市・那覇市、第4回平成21年3月19-24日鹿児島県大隅諸島の黒島の計4回行った(総計30日間)。大隅諸島の硫黄島では、俊寛配流伝説(俊寛堂・足摺石・投筆岩・涙石・俊寛石・柱松)、平家伝説、遣唐使漂着伝説(徳躰神社)、うつおぶね伝説(アナンゴゼ)、硫黄島八朔太鼓踊りという民俗芸能などの調査を実施した。奄美諸島の喜界島では、平成20年度奄美沖縄民間文芸学会喜界島大会公開シンポジウム「奄美・沖縄の英雄伝説」で「沖縄の英雄伝説」のテーマで基調報告を行うとともに、勝連家伝説(早町)、涙石伝説(早町)、荒木王伝説(荒木)、村田新八滞在伝説(湾)などの調査を実施した。大隅諸島の竹島では、遣唐使漂着伝説(高田根麻呂を祀る大山神社)、平家伝説、うつおぶね伝説(フクドサマ)、馬方踊り・竹島八朔太鼓踊りという民俗芸能などの調査を行った。大隅諸島の黒島では、平家伝説(「平家城」)、英雄伝説(イバドン)、うつおぶね伝説(ウツロンゴゼ)、姨捨山伝説(片泊)、黒島八朔踊りという民俗芸能などの調査を行った。沖縄本島の宜野湾市では平成20年度奄美沖縄民間文芸学会公開講座「奄美・沖縄の英雄伝説」に参加した。さらに、各地図書館で関連資料を調査研究した。本研究課題に関する論文は複数発表・投稿中。なお、物品費50千円は調査データ保存用ディスク・文具類、旅費450千円は第1・2回調査で使用した(第3・4回調査は私費)。
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