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2009 年度 実績報告書

『レディーズ・ホーム・ジャーナル』を中心とするアメリカ女性雑誌における言説研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520185
研究機関岩手大学

研究代表者

秋田 淳子  岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (10251688)

キーワードアメリカ文学 / 女性文化研究 / 雑誌研究 / アメリカ研究 / アメリカ小説
研究概要

Edward Bokが編集長を務めた時期の『レディーズ・ホーム・ジャーナル』を、昨年度に引き続き「電話」という主題から論じた。その作業の過程で、広告、エッセイ、表紙、小説作品というさまざま言説を相対的に利用して、編集部が雑誌の理想とする女性像提示を試みていたことを明らかにした。同誌を構成する多層な言説は、相互に関連しながら雑誌が主張するメッセージを構築していたことは、他の主題にも同様のことがいえる。本年度は、「自然」や「環境」という主題を中心に、同誌の言説を分析することを試みた。
「電話」という主題に焦点をあてると、それが男性のおもな活動領域とするビジネスの世界を表すひとつの記号であり、同誌が提唱する理想の女性たちの活動領域である家庭から距離をおいて表象されている。「自然」や「環境」という主題は、男女の領域である「外」の社会と「内」なる家庭の領域の中間となる場の役割を担っているように思える。同誌は、家庭という領域を尊重しながらも、創刊当時からガーデニングの主題を毎号扱い、花の種子の販売広告も多い。さらに、郊外での健全な生活を提唱する同誌は、自然界の力を小説やエッセイにおいて扱うことも多い。保守的な女性たちの健康維持のために自然界との接触を提唱しているようにもみえるが、これらの主題は、家庭という領域を「外」の世界とつなげ、社会も家庭をも含んだ「環境」という領域の構成員であることを性たちに自覚させていたと思われる。
同時代の女性たちの「自然」や「環境」への意識を探りながら、継続して、同誌の言説から、これらの主題を分析し、女性たちの自然観や環境観を探求していきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Charlotte Perkins Gilmanの自然の表象についての一考察2010

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 雑誌名

      『東北アメリカ文学研究』日本アメリカ文学会東北支部 33

      ページ: 32-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『若草物語』4作品におけるLouisa May Alcottの自然描写についての一考察2009

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 雑誌名

      東北英文学会Proceedings of the 63^<rd> Conference

      ページ: 13-19

  • [雑誌論文] 『レディーズ・ホーム・ジャーナル』における電話の意味-不在の意味2009

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 雑誌名

      メディアと文学が表象するアメリカ(英宝社)

      ページ: 121-41

  • [学会発表] Charlotte Perkins Gilmanの"自然"についての一考察2009

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会東北支部9月例会
    • 発表場所
      仙台白百合女子大学
    • 年月日
      2009-09-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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