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2007 年度 実績報告書

17・18世紀都市ロマンス文学とその精神史に関する史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19520187
研究機関東北大学

研究代表者

原 英一  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106745)

キーワードディケンズ / ヴィクトリア朝 / センチメント / 都市 / ロマンス / ジャンル / ウィット / アフラ・ベイン
研究概要

本研究は、ディケンズ等の盛期ヴィクトリア朝小説を1550年代から1850年代までの300年間にわたるイギリスの演劇・小説の歴史の中で捉えようとする研究の一環である。ここでは、ディケンズ文学の知られざる本質を明らかにするとともに、演劇と小説という2つのジャンルの交替・生成・相克の中に存する、イギリス近代文学史の駆動原理ともいうべき根源的ダイナミズムを解明することが目的とされている。本研究においては、都市ロマンス文学が発展し小説の生成に至る過程の内的な駆動原理として「センチメント」を措定し、その展開を歴史的に検証することを通して、ディケンズに至るイギリス近代小説の本質を解明する作業を継続している。平成19年度においては、次の5つの作業を並行して進めた。
(1)電子化資料データベースを利用して蒐集を行った。ネットで公開されているpublic domainのテクストも可能なかぎり蒐集した。(2)王政復古記風俗喜劇を中心としたテクストの詳細な分析によって、近代都市としての諸条件を備えつつあった17世紀後半から18世紀前半のロンドンの文化を多面的に分析した(3)理性を基盤とするウィットと人間の肉体的欲望との根本的矛盾が、都市文学としての風俗喜劇の内部に裂け目を生じさせる様を女優と女性観客を中心として分析した。舞台と観客席の相互作用の分析により、「ウィット」が変質して「センチメント」に変容する過程を明らかにする作業を行った。(4)史上最初の職業的女性作家アフラ・ベインに見られる植民地・奴隷貿易との関係、さらには演劇から小説へのジャンル転換について分析を行った。(5)小説勃興とセンチメント精神史との関連について、独実の理論を構築するための準備作業を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 図書 (1件)

  • [図書] ディケンズ鑑賞大事典2007

    • 著者名/発表者名
      西條隆雄、植木研介、佐々木徹、原英一、松岡光治(編著)
    • 総ページ数
      (836)115-133
    • 出版者
      南雲堂

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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