研究課題
研究プロジェクト最終年である平成22年度には、海外の研究者との共同作業に基づく研究成果の発表と今後の連携研究への基盤整備が最も重要な仕事であった。本研究期間の国際的な研究成果の総まとめとして、アメリカRoutledge社よりPoonam Trivedi氏との共同編集でRe-Playing Shakespeare in Asiaを出版した。これは、本研究の目的であるアジアにおけるシェイクスピア上演研究の基礎となる共通言語の構築に向けた現実的な取り組みであり、インド、フィリピン、マレーシア、中国、台湾、韓国、日本における上演研究の最前線の現状を総括すると同時に次の研究課題を明らかにした。またケンブリッジ大学出版局から出した論文集には、上記共編著とは異なる視点からアジアの上演について考えるものであり、南は、ポピュラー・カルチャーにおけるシェイクスピア上演の多様性を示した。本研究の成果としては、現在韓国、台湾、日本の研究者で編纂中のシェイクスピア翻案作品集がある。2011年度内での出版に向けて現在編集が進んでおり、この途中経過の成果発表として、台湾国立大学での国際学科Orienting Shakespeare in East Asia : The Fifth Conference of the NTU Shakespeare Forumにて、パネル・ディスカッションを科研費によって主催し、これまでの研究成果の一部を発表・報告をした。この学会での研究発表の内容は、翻案集とは別に2011年末に台湾大學出版局よりShakespeare in Cultureという論文集として出版準備が現在進んでいる。以上のように、本年度は、これまでの研究成果をまとめ、次のステップへの基盤となる人的ネットワークの構築と成果発表を行い、国際的な評価を受けることが可能となった。
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Multicultural Shakespeare
巻: 6(21)/7(22) ページ: 159-164